中浦和の家(今月のトップページ)
中浦和の家
外観
1階リビング内観
概要
建築主 :個人
設計監理 :株式会社杉浦英一建築設計事務所
施工 :株式会社山崎工務店
所在地 :埼玉県さいたま市
主要用途 :専用住宅
構造 :木造
階数 :地上2階建て
敷地面積 :139.60㎡
建築面積 :78.66㎡
延床面積 :127.71㎡
竣工 :2012年11月
撮影 :新写真工房
設計主旨
①敷地・環境などの条件
敷地は郊外の住宅街に位置し、東西に奥深い形状である。西側を道路、南、東面を隣家に面している。南からの採光と屋外の緑を生活にとりいれ、近隣からのプライバシーを確保した、大らかな空間と素材感を感じられる家をめざした。
②トンネル形の構造形式
配置と建物の構成は、敷地の南側に東西に長い庭を設け、庭に面して間口9メートルの 大きな開口部と吹抜けを設けている。また、道路側駐車スペースの上部には寝室である 二階部分がオーバーハングしている。このような構成を木構造で実現するため、長方形 断面の柱と梁を455ミリ間隔で配し、屋根面、外壁面、床面を構造用合板で固める トンネル形の構造形式を採用した。
③構造を感じ、素材を感じる家
屋内空間は、規則的に連続する柱、梁および集成材の大梁をそのまま仕上げとして表して いる。構造材の力強さに同調すうように、床にはチークの無垢材と佐久石を用い、素材の >持つ質感、存在感を感じられる空間とした。
④夏と冬で逆転する空調システム
内部は主寝室を除いてはほぼ間仕切りのないワンルーム形の空間であるため、全館空調を 用いた。今回、初めての試みとして、家全体を一つの空調空間とらえる発想から、夏期 冬期逆転の空調システムとした。夏期は吹抜け上部に吊るしたソックダクトより冷気が にじみ出し、降下したのち一階床に設けたスリットからレターンとして吸込まれる。 一方、冬期は空気の流れが逆転する。床スリットから暖気がわき上がり、吹抜け上の ソックダクト差し込み口が吸込口となる。さらに一階床下全体を空調チャンバーとして いるため、緩やかな床暖房の効果ももっている。この方式により空気の性質を活かした 効率的な空調を実現している。